灰色の壁

河原の葦をかき分けるように生きてきた

向こうが見えそうになると足下の泥濘が歩みを阻む

拓けた中洲に立つと行く先が見えなくなる

ジャブジャブと浅瀬を歩き

疲れたら岸でため息をつき

また歩いては葦の中で天を仰ぐ

繰り返し 繰り返し 繰り返し

何度となく目の前を阻む灰色の壁も

眺めてみたり よじ登ったり 壊してみたり

これまでもそうだったし

これからもそうでありたい

でも そっと

葦の中で天を仰いでいたい


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